2025年04月01日
駅からみた埼玉県内の世帯の分布 ― 地域メッシュ統計を用いて―
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経済調査事業齋藤 康生
趣旨
昨年9月に公表された「令和5年住宅・土地統計調査」によると、埼玉県の総世帯数は323万2,900世帯、総住宅数は355万5,100戸と、いずれも過去最多となった。県内の世帯と住宅はこれまで一貫して増加をしてきた。地域にとって世帯は、住宅の需要を生み出す重要な経済主体である。そしてその動向は、家計の消費として、地域経済の将来に大きく関わってくる。本稿では国勢調査に関する「地域メッシュ統計」を用いて、交通の拠点となる鉄道の駅を中心に県内の世帯の分布を捉え、動向をみる。住宅の需要側である世帯の変化を通して、今後の住宅の供給や、県内のまちづくりの考察につなげていきたい。
目次
- はじめに―増加する県内の住宅と世帯―
- 単身世帯を中心に増加し、やがて減少に転じる世帯
- 「地域メッシュ統計」を用いた分析
- 駅前でも3倍近く異なる県内世帯の密度
- 東京40㎞圏内の駅前でみられる単身世帯の流入
- 東京40㎞圏外でみられる世帯が減少する地域
- 駅からの距離別にみた世帯人員の構成
- 集中する世帯と孤立していく世帯