公益財団法人埼玉りそな産業経済振興財団

調査研究レポート

2022年08月01日

支援が急がれるヤングケアラー

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地域コンサルティング青木 淳子

趣旨

入間市では、令和4年の6月議会においてヤング ケアラーを支援する条例案が全会一致で可決され た。これまで、複数の自治体でケアラーを支援する条 例が制定されてきたが、ヤングケアラーの支援に特 化した条例は全国で初めてである。 「ヤングケアラー」という言葉は以前から使用され ていたが、令和2年3月に埼玉県が全国で初めてケ アラーを支援するための条例を制定してから、社会 の関心が急激に高まってきたとみられる。「埼玉県ケ アラー支援条例」はケアラー全般への支援のための ものだが、条文の中でヤングケアラーを明確に定義 づけて、ヤングケアラー支援に関する基本理念や関 係機関の役割等をうたっている。当時はヤングケア ラーという言葉の認知度は低く、同年11月公表の県 政サポーターアンケートでは、「ヤングケアラー」とい う言葉の認知度は16.3%(「よく知っている」と「あ る程度は知っている」の合計)にとどまっていた。 しかし、その後の自治体の動向をみると、議会でヤ ングケアラーへの支援に関する質問が出されたり、 広報等でヤングケアラーについての説明や相談窓 口の連絡先が掲載されるなど、全国的な関心の高ま りが見受けられる。また、複数の自治体でケアラー (一部でヤングケアラーも含む)支援に関する条例が 制定されている。実際のヤングケアラー支援への取 り組みも整備されつつあるので、現在の動向をみて いくこととする。

目次

  • はじめに
  • 各自治体における条例制定の動き
  • ヤングケアラーの実態
  • 埼玉県内のヤングケアラーへの支援の状況
  • おわりに
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